最強の抗体検索サイト”BenchSci”現わる。

これまで、抗体を探す時は口コミ+CiteAbが個人的な鉄板でした。(https://weblog.shak.jp/2018/05/personal-rankings-for-antibody-search/
…が、CiteAbを上回る情報量と利便性を持つサイトが出てきました。その名はBenchSci。

目次

BenchSciとは?

http://benchsci.com/

抗体を使っているFigを検索して、一括表示してくれるサイトです。言わば抗体専用のGoogle画像検索です。
AIを使ってFigの情報を収集しているようなことがFAQに書いてありました。
大抵の蛋白で数千件の画像がヒットします。そこから自分の使いたいアプリケーションや生物種で絞っていきます。
利用には学術機関のメールアドレス(.ac.jp等)か、学術機関に紐付いたLinkedInアカウントが必要です。

CiteAbよりも優れている点

利点1:直ぐにFigを見られる

CiteAbでは、抗体のページに行く→論文へのリンクを押す→実際にFigを探す、という作業が必要でした。
しかし、BenchSciではFigを直接見ることができます。ぱらぱらページをめくるようにできるし、ボタンを押せば元の論文を参照することも出来ます。
これが最強たる所以です。欲を言えばウエスタンブロットの全景を一発で見られたりしたらもっと良いのですが、いまのところそんな機能は見つかっていません。

“Open Publication”ボタンを押せば論文本体に飛べます

利点2:クローン毎にFig数が見られる

CiteAbでは「クローンでまとめる」ということが出来ず、同一クローンの抗体が複数のサプライヤから出ている時に少しめんどくさいな…と思うことがありました。
同一クローンであっても精製方法などが異なると結果が変わってくる事がありますが、まず抗体を探す時はクローン毎の特性を知ることから始めたいので、この機能はとても便利です。

論文のFigとサプライヤのFigを分けて計算してくれます

利点3:組織や細胞種などで絞り込める

自分の使いたい組織やcell lineでも実績があるか?というのも調べることができます。より絞り込んだ評価が簡単にできます。

組織のタイプ以外にも、疾患で絞り込むことも出来ます

利点4:インパクトファクターでソートできる

IF至上主義の方々に朗報です。有名なジャーナルのFigをコレクションできます。
有名雑誌はWBのfull imageやnegative controlをしっかりチェックしてくれている事があるので、そういう基礎的なデータを集めたい時にも有用です。

何だかんだでBEST MATCHが一番使いやすいかも

CiteAbに劣る点

不便1:論文毎にまとめられない

存在意義がFig毎にまとめている事だからか、論文数ではソートできません。
論文あたりのFigが多い抗体ほど上位に来るので、何らかのバイアスになるかも知れません。

不便2:動作が少しもっさり

データ量が非常に多いためか、ロードには少し時間がかかります。といっても、数秒~十数秒程度ですが。
CiteAbは一瞬で表示されるので、その点は全くストレスがありません。

不便3:ログインしないと使えない

CiteAbは最初にロボットチェックをクリアすればログインなしで使えますが、BenchSciは学術機関のメールアカウントを持っていないと無料で使えません。

結論。もうBenchSciでいいじゃん

CiteAbを使う理由が殆どなくなってしまいました。論文数も良いファクターですが、結局publishされているFigをたくさん見て決めるのが、失敗しない抗体探しに大事な気がしています。(あと、値段)
頼むから、ずっと無料のままでいて下さい…。

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https://www.benchsci.com/

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